top of page

About

私たちは古来から海藻を食品として利用してきました。それに加えて、抗がん作用、抗高血圧作用、抗肥満作用、抗ウィルス作用など、様々な機能性をもつ成分が海藻から見つかっており、機能性素材としての利用も期待されています。

 しかし、地球温暖化による近年の海水温上昇などにより、生長不良や病気の蔓延などにより、海藻の安定的な生産が困難となっています。  

 そこで、私たちの研究室では、海藻における「スマート養殖」「スマート育種」を推進するため、海藻の増養殖や品種改良に貢献できる研究を行っています。

Research
図15.jpg
s4F8LtG3EVHHwEM1678349088_1678349250.jpg
JfqlbcrJJN40XvY1678349591_1678349608_edi
プレゼンテーション2-2_edited.jpg
図18.jpg

​効率的な増養殖や育種に向けた繁殖メカニズムの研究

 

 海藻の増養殖や育種を効率的に行っていくためには、生活環を理解することが重要です。私たちは、海藻の生活環において最もダイナミックなイベントの一つである繁殖に焦点を当て、これらのメカニズムについて研究を進めています。

海藻類は日長や水温といった外界の環境を感知することで、成熟を調節していると考えられてきましたが、それらを制御する生体因子については長らく不明でした。

 私たちの研究室の成果として、海藻の生長と成熟の切り替えに植物ホルモンが重要な働きをしていることが分かってきました。例えば、海苔の原料であるアマノリでは、エチレンの前駆物質である1-アミノシクロプロパンカルボン酸(ACC)が、コンブにおいてはアブシジン酸と呼ばれる植物ホルモンがこれらの生殖器官形成に重要な役割をしていることが明らかになっています

(Uji T, Mizuta H. The role of plant hormones on the reproductive success of red and brown algae. Front Plant Sci. 2022

「紅藻類の有性生殖に関わる制御機構 : アマノリ類における1-アミノシクロプロパンカルボン酸の役割を中心に」 宇治, 利樹 藻類, 69(1), 14-19を参照)。

図19.jpg

新規育種技術の開発

人類は自然に起こる遺伝子の変化を利用して新たな品種を作り出してきました。近年、注目されているゲノム編集技術は、遺伝子の変化を狙った場所で実施することで、品種改良のスピードを速め、従来では困難であった品種を短期間で開発できるものとして期待されている育種技術です。私たちは、ゲノム編集技術を様々な海藻で利用できるよう、技術開発を進めています。

 私たちの研究室では、ゲノム編集ツールを海藻細胞に導入する技術として、パーティクルガン法(遺伝子銃を用いた方法)を開発しています

図20.jpg

有用遺伝子の発現制御機構の研究

海藻の作る成分には、抗ガン作用、抗ウィルス作用、抗高血圧作用などを示すことから健康予防の原料としても期待されています。

 私たちの研究室では、高生長性株や有用成分を高含有する海藻を作出し、それらを増やすことで社会に貢献することを目指しています。そのためには、これら有用形質を決定している遺伝子の発現を自由自在に変化させることが必要です。そこで、DNAの塩基配列を高速で決定できる次世代シークエンサーやバイオインフォマティクスなどの手法を取り入れることで、遺伝子の発現制御機構の解明を行っています。

北海道大学大学院水産科学研究院

海洋応用生命科学部門・育種生物学分野

海藻生理学研究室

公式ホームページ

Hokkaido University - Faculty of Fisheries Sciences,

Division of Marine Life Science 

Laboratory of seaweed physiology 

 

Official Web Site

〒041-8611 

北海道函館市港町3-1-1

北海道大学函館キャンパス 

管理研究棟4階−403室

助教 宇治 利樹

E-mail:t-uji@fish.hokudai.ac.jp

TEL: 0138-40-8864

bottom of page